私は子どものインタビューを得意としていますが、
これまでにインタビューした最年少は、
3歳2ヶ月の男の子です。
こう言うと、
「え、3歳の子にインタビュー??」
と驚かれるのですが、
3歳の子にも立派にインタビューできるんですよ!
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あるオモチャメーカーさんのお仕事で、
子どもたちのお家での遊び実態を明らかにするために
家庭訪問をしてインタビューをしたのですが、
なるべくいつも通り遊んでもらうよう、
仲良くなるところから始めます。
だいぶ仲良くなれたかな(と言っても、5分も経っていませんが)、
というタイミングで
「何して遊ぶのが一番好き?」
等と聞いてみます。
しかし質問には答えず、
ひたすら目の前のオモチャ同士を戦わせて遊ぶ男の子(笑)
「どれが一番好き?」と聞くと、
「これとね、これとね、これとね、これ」と
目の前にあるもの全部を順に指差す。
「今何してるの?」と聞いてみると、
遊んでいた怪獣のオモチャを突然転がして
「あ、死んじゃったよ!」。
こんな調子です(笑)
「それって、インタビューになってるの?」と
思うかもしれませんが、
はい、男の子は立派に
「態度で語ってくれている」のです。
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この子のケースでは、
しばらくこんなやりとりをしながら遊び方を観察し、
オモチャごとに遊びかたの区別をしているのではなく、
すべてのオモチャは、この子がしたいことの道具となる
ということがよくわかりました。
お人形も、ミニカーも、線路も、
ママが新聞紙で作った“棒”も、
「このオモチャだから、こう遊ぶ」という
ルールがない中で遊んでいるのが“実態”だったのです。
このような小さな子どもへの“インタビュー”は、
記録の残しかたもひと工夫。
大人へのインタビューのように
「発言」の記録を取ってもあまり意味がないので、
「動画」をフル活用です。
動画と言っても、
ビデオカメラなどを構えると
子どもに緊張感や非日常感を与えてしまうので、
話しながら遊びながら、さりげな〜く撮影します。
このあたりのコツは沢山あるのですが、
それはまた別の機会に。
兎にも角にも、
まだ言葉もおぼつかない小さな子どもの
「態度が語る」インタビュー、
実は言葉よりも雄弁に語る側面もあって、
私は大好きなインタビューです。
by小林