かなり以前のことだが、
「インタビューとは、相手の内面を見せてもらうこと」
と教わったことがある。
この言葉を聞いたときには
私は既にマーケティングインタビューの仕事をしていたけれど、
「なるほど!」と目から鱗の気分だった。
インタビューとは「欲しい答えを言ってもらう」ことではない。
わかりきったようなことだが、
欲しい答えを言ってもらえるように誘導するインタビューを
時々見かけるのも事実。
そういうインタビューを見ると(私はしないけど)、
なーんか違うなあ…と胸がザワザワしていたのだ。
そのザワザワの正体がハッキリわかった気がした。
まあ世の中には、
欲しいコメントをとるためのインタビューも
存在しているだろうとは思う。
しかしマーケティングインタビューでは、
そういったインタビューは意味を為さない。
だから私は今も、
マーケティングインタビューを実施するときはこのことを思い返し、
これからインタビューする方々に
「あなたの内面を見せてください」という思いを込めて
三つ指をつくイメージで丁寧にお辞儀をしてインタビューをスタートする。
「内面」を見せてもらうには、
それなりの誠意とお作法が必要なのである。
相手がどんな人かに関わらず、ね。
by 小林