実は、私、歌舞伎が大好き(好きなものが多くて…😅)
誰が好きかと言われると、絞る込むのは難しい
たくさんの思い出をくれた、
十八代目中村勘三郎丈や
十二代目市川団十郎丈が
亡くなった時の喪失感は大きかった。
231年ぶりに復活した四代目坂田藤十郎丈や
今年人間国宝になられた十五代目片岡仁左衛門丈も
役者が違うとはこういうことかと思わせてくれる。
もちろん、玉三郎も秀太郎も、海老蔵も猿之助も
七之助も隼人もファンではあるが、
結局、贔屓を決めないままに約10年歌舞伎座に通っている。
しかし、歌舞伎が賑やかで充実している時を
勘三郎丈や団十郎丈と過ごせたことは
私の人生をとても充実させてくれたし、運がよかったと思う。
今日は役者の話ではなく…
勘三郎丈が復活した芝居小屋「平成中村座のトイレ」の話。
仮設芝居小屋の幕間の女子トイレの混雑は凄まじく、
まさに長蛇の列
しかし、
平成中村座にはトイレを待つ客の誘導係として
「霞番(かすみばん)」のお姉さんがいる。
十八代目勘三郎にも可愛がられていた
お茶子さんである。
この「霞番」の登場で、長蛇の列はあっという間に解消され、
長蛇に並ぶことも楽しい時間だった。
今回、お盆の最中に諏訪湖の花火大会へバスで向かう途中
やっぱり女子トイレはどこも長蛇の列だった。
中央高速道「談合坂のサービスエリア」では、
トイレの入り口にトイレの空き状況がわかる電光掲示板があった。
そして、そこに、トイレ誘導係りのおじさんが
「ハイ3列目、ハイこの列の奥が空いたよ…」と
霞番のお茶子さんよろしく誘導して、
長蛇の列は間もなく解消された。
もう1件、峠の釜飯で有名な「荻野屋のトイレ」でも、
おばちゃんが二人で
「和式でもいい人…、こちらにどうぞ」
「洋式が2つ空きました」と誘導していた。
そういえば、
最近は歌舞伎座や演舞場でも、会場案内係りが霞番をしている。
平成中村座の名物だった、霞番のお茶子さん
10〜15分の間に集中する客裁きの技術は素晴らしいと思ったが
今やいろんなところで
「トイレ案内名人」が登場しているようだ。
トイレ案内人は、
①状況把握がしっかりしていて、
②歯切れが良くて言葉が分かりやすく、
③機転が利いていて、
④誰にも平等
⑤長蛇の人を退屈させない喋り
が、できなくては務まらないと推察…
「霞番」トイレ案内人は誰でもできる仕事ではないとつくづく思った。