8月の歌舞伎座は『納涼歌舞伎』
1日3回の上演で、1回が少し短め
客にとっては嬉しいやら悲しいやら…
例年この季節の演目は怪談ものだが、
今年は7月に玉三郎と中車で牡丹灯籠を上演している
そんな影響があったか、なかったかは知らないけれど
8月の納涼歌舞伎は、七之助の美しさが目立った。
一部と三部では
10代目坂東三津五郎を忍ばせる演目
「棒しばり」と「芋掘り長者」の2つの舞踊が用意されていた
三津五郎がよく踊っていた演目だ
「棒しばり」は18代目勘三郎と10代目三津五郎の
太郎冠者、次郎冠者で何度も観せてもらったが
この8月は中村勘九郎と坂東巳之助の二人で演じていた。
中村屋も大和屋も息子が継いで観せている
三部の「芋掘り長者」は
三津五郎と橋之助の二人で演じていたが
今回は、橋之助と巳之助の二人
坂東三津五郎は、
踊りの名手としても知られており
*写真は「お祭り」
芋掘り長者の「藤五郎」は、
踊りの名手がわざと下手な踊りを舞うという
難しいお役…
さて、巳之助がどう踊るのかと思っていたら
三津五郎が踊った「藤五郎」のお役は橋之助だった
三津五郎が得意とした演目の中でも難しい「芋掘り長者」
当然、巳之助が踊って良い筈なのに…
橋之助の「藤五郎」を舞台で見る巳之助の姿に
三津五郎が大切に演じていた「藤五郎」へのリスペクトを感じた
巳之助に、10代目三津五郎の姿が重なった瞬間だった
歌舞伎ファンとしては、
役者が親に近づき、親を越えて行く姿を見守るのも楽しみの一つ
巳之助は、いつ「藤五郎」を踊るんだろう…
楽しみが、また1つ増えたなぁ〜 (^_−)−☆